「そう言ってくれるんだ。」

その目は、

私を愚か者かのように、…。

見下さすような。

そんな目だった。


「ありがとう、また明日学校でね!」


怖い。

今まで見たことがないナナミに私は動揺してしまった。









次の日、学校に行くと昨日のことが嘘かのように、ナナミはいつも通りのナナミに戻っていた。

気のせいだったのかな…


「ナナミ、」
「何?」

気になって聞こうと思ってけど、その先のことを知ってしまったらなにか良くないことが起きそうな予感がしてしまって、聞けなかった。

「何も無いの?ニカってほんと不思議!」

いつもと、変わってない、


よね?








運動は苦手。
小さな頃から運動は好きではなかった。
走っても、いつもいちばん遅い。
球技のセンスは無いし、リズム感もなくてダンスや舞踊も出来なかった。

「ニカー!」

悪夢の体育の時間。
授業の中でいちばん嫌いだ。

ナナミは運動神経の悪い私とペアを組んでくれたりするが、申し訳なくなる。


今日の授業内容はバスケ。
5人チームを作り、対決する。

「負けたらボール片付けなー」

「うわ、まじかよー」
「先生いじわるー」