「もう、おやつありすぎっ!」

家族ってこんなに笑顔で包まれているんだ。
私が願っていた幸せってこんな感じなのかもしれない。
大きな家、資産、名誉、そんなものじゃなくて。



「やっとちびーず寝たわ」

はしゃぎすぎて疲れた子供たちは部屋に戻り寝てしまった。

静かな時間が訪れる。

いつもいる部屋より天井が低く、空間が狭いはずなのに、息苦しさを感じない。


「兄弟いるとこんな感じなんだよね、毎日」

羨ましい。
こんな家族のあり方があるということを知った。

私はこんな家族を、作りたい、なぁ…

「うるさかった?」
「全く、そんなこと思いませんでした。」


きっとこんな家族を持つなんて、夢のまた夢…


「私はナナミさんの家族のような、家族に、憧れます。」


憧れのまま…


「嬉しい!ニカに今日来てもらってよかった」

ナナミさんに、そしてこの家族にはずっとこのままでいてほしい。
素晴らしい家族のままで、って。









「今日はありがとうございました。」
「全然大丈夫だよー」

帰りはナナミさんと2人で歩いて帰った。
お母さんはお仕事にいったようだった。

「ニカに早く会いたくて、お母さん迎えに行ったんだよね」