ナナミさんの大きな声を合図に、3人が部屋から走ってやってくる。

「ニカちゃん一緒に食べよー」
「俺がニカの隣な!」
「えー、きーくんずるい」

いつの間にか私の周りには子供たちが集まっていた。
座っていたら、ナナミさんがジュースとスコーンを5等分に分けてくれ、それが木の机の上に置かれた。

「ニカも食べなよ!」
「良いんですか?」
「いいよねー?」

「「「いいよー!!!」」」

いつも食べなれているスコーン。
何度も飲んだことのあるフルーツジュース。


「めっちゃ美味しいこれ!ほらみんな、ニカちゃんにありがとう言わなきゃね」

「ありがとう」
「ありがとね」
「ニカありがとー」


いつもご飯を食べる時も、おやつを食べる時も、何をするにも家では1人。


「こちらこそ、ありがとうございます。」


この人たちは私の家族では無いけれど、みんなで食べるって最高のスパイスだ。

ナナミさんと目が合う。
お互いにっこり笑い合う。

「ナナミー!コンビニだけど、お菓子…あら、美味しそー!」
「ニカがくれたんだー」

「これも、良かったら食べてねー!」

外へ出ていたお母さんがビニール袋片手に帰ってきた。