私はどうにも出来ず、ナナミさんの顔を見る。
ナナミさんは察してくれたようで、小さな子達を自分の部屋に戻るよう促す。
子供達はすんなり言うことを聞き入れ、別室へ入っていった。


「うるさいでしょ?あれ、下の兄弟なの」

「いえ、全く」

「うそー、困るでしょ?急にごめんねー」

ナナミさんは冷蔵庫の中から飲み物を取りだしコップに注ぐ。



「賑やかで、羨ましいかぎりです。」



飲み物をコップに注ぐ音が止まる。
そしてまたその音が部屋に響く。


「そんなこと言ってもらえるなんて、嬉しいなぁ。はい、どうぞ」

2人で低めの木のテーブルのある場所に座る。
目の前には、透明のグラスに入った麦茶。

「ありがとうございます。」

私は冷たい麦茶を飲む。

その時、バッグの横に置いていたバスケットを思い出した。


「ナナミさん、これみなさんで」

「え!すごい!いいの!?」

私は持ってきたお土産を手渡した。
少し多めにお手伝いさんが用意してくれていた。
あの小さな子達と楽しく食べて欲しい…


「葉月ー!美月ー!輝月ー!ニカちゃんがお菓子くれたから食べよー!!」

「はぁーい」
「はーい!」
「やったぁー!」

「ニカも!ね?」

「私も…?」