「結構うるさいよ。毎日誰かが喧嘩してるし、」
「…喧嘩ですか」

「うん。でもね、賑やかで楽しいかもよ?」

「にぎ、やか…」

ナナミさんの明るさは、きっとご家族の影響なのだろう。

頭の中で想像してみる。

ナナミさんにお顔は似ているのかな
きっと綺麗な黒髪なんだろうな
運動が出来そう

毎日が、楽しいんだろうな


「ニカ?」
「…あ、すみません。」

「…」

ナナミさんが私の顔をじーっと見ている。
目と目が合う。
私は思わずその目を逸らした。


「うち、来る?」

「はい?」


「だから、うちに遊びに来ない?」


友人の家に誘われました。











「ニカさん、お土産はお持ちですか?」
「はい、確かに。行ってまいります。」

数日後。
私はナナミさんのお家に行くことになりました。

瓶に入ったフルーツジュースとスコーンの入ったバスケットを手に持ち、ナナミさんが待ってくれているという家の近くのバス停に向かう。

とてもワクワクします



「ニカー!」

バス停が近くなるとナナミさんの姿が見えた。
大きく手を振っている。
私は少し早歩きをする。

ナナミさんも私の方へ歩いてきてくれた。

「もうすぐお母さん迎えに来るから、ここで待っていよう。」