「お久しぶりです!」
「れ、あ、に、ニカちゃん!?」

やってきたのは一軒のバー。
近くにこんなところあったんだ、と私はお店全体を見渡す。


「私、後悔しない選択、今更だけど、してきました。」

「それが、この子なんだね。」

「そうです!」


このおじさんは、知り合い…?

とりあえず目の前のカウンター席に座った。

「何かお願いしても良いですか?」
「任せてよ。」

まるでこういうところが慣れているみたい。
あの頃とは違う人みたい。

月日の流れを感じる。

私だけがあの頃から変わってなくて、取り残されているような感じがしてしまった。


「どうぞ。」

「ありがとうございます」
「レイさん、ありがとうございます!」

私の前だけに、おしゃれなカクテルが出された。
少し乳白色のような感じ?
白くて、でも透けているような、そんな感じの色。


「レイさん、分かってるね」
「この仕事、伊達に続けてきたわけじゃないからね」

2人は少しニヤニヤしながら私の方を見る。


「えっ」

なんか異様な雰囲気すぎて、飲みづらい。

「じゃあ、ごゆっくり。」

レイさんという人は、少し離れた席の別のお客さんの所へ行った。