『!』
空耳…
じゃない。
「ナナミ!」
後ろをゆっくり振り返った。
少し身長伸びたね、
髪の毛切ったの?、
前よりもカジュアル系の服?、
全部、全部、似合ってる、
可愛くて、
大好きで、
「っ…、ニカ……」
「お誕生日おめでとう。」
私の目の前にはバラの花束がある。
目が潤んで、よく見えない。
「あの時はごめんなさい。でも、気持ち変わらなかった。…今でも好きっ!」
周囲の視線が少し痛い。
でも、
真っ直ぐに私をみる、2色の瞳。
私はやっぱり
あなたが好きだよ。
「私も、好き。」
私はバラの花束を受け取った。
お互い見つめ合い、微笑み合う。
離れていたはずなのに、あんな別れ方だったのに、
「おっかしー」
「はぁ?せっかく来たのにっ!!」
全然変わってなかった。
むしろ可愛さ、増してない?
何があったのか分からないけど、お嬢様要素が無くなっている。
ニカは花束を持っていない方の私の手を引き、歩き出す。
「とりあえず、飲も!」