「ニカちゃんとナナミちゃんは、姉妹なんだよ。」
今なん、…
「腹違いの、姉妹なんだよ。」
信じたくない。
「ニカちゃんには、真実を知る権利があると思うよ。」
大人の勝手な恋愛沙汰に、私たち2人は巻き込まれていたんだ。
そして今いる大人も、大人なんて…
「ナナミちゃんは、たまに君のお父さんに会っているよ」
大嫌いだ。
定期的に日本にお父様が帰ってくる。
仕事と言って、家にはいなかった。
『見ちゃったんだよね。知らない男の人の車に乗っていくところを。蘭がいない所で聞いてみたら…。従業員データを直ぐに確認したよ。…保護者欄、電話番号まで一致してたよ。』
いつからお父様と蘭さんが知り合って、そういう関係性になっていたのかまでは知らなかった。
知らなくても良い真実がある。
出会わなければ、こんなこと知らずに
普通の高校に行きたいなんて言わなければ、
過去は変えられない。
私は暗い夜道を1人泣きながら歩いた。
『あまり、ナナミに関わらない方が、良いわよ…』
少し前に、蘭さんに言われた言葉。
関わらなければ、良かったよね…