その方向先を見ると、女子同士が仲良さそうに話しているところだった。
……この子、不器用だけでだれかと話したいのかも。
 朝礼が始まると、沙耶は前を向いた。
どうしようかな、部活。考えながら、どこの部活動にするか悩んでいた。
 朝礼が終わり、授業が始まった。
 私は教室の後ろの方で先生に当てられないように背中を丸くして授業を受けた。
 授業を受けているのに全然集中できない。
 机の中に入っていた部活の入部届のプリントを自分の机に出して、見た。
本を読んでいる子と先生の方をチラチラと見て、心配そうに彼女を見ていた。
 授業が終わった。本を読んでいた子は先生の言葉で起きた。
 本当にスポーツをやってみたいのか? 
 授業を終えて、今日は見学がないので真っ直ぐ家に帰ることにした。
 はぁ、私は今日ため息ついてばかりだ。いや、それも仕方ない……
 部活を決めることは学生にとって大事なこと。
 中学三年間でどう過ごすかで私のなにかが変わるかもしれない。
 部活動はなにを選択するかで大きく決まる。
 家に帰って、私は思った。
 今までスポーツは、バトミントン、テニス、バスケをしたことはあるが、下手だ。
 同学年とスポーツする時は笑われた。
 卓球部の見学行った時を思い出した。
 先輩たちの真剣なまなざしが頭の中から離れない。
 卓球は小学校で少しやったけど、相手とのサーブの掛け合いなど楽しそうだった。
 私は立ち上がった。階段をバタバタとおり、リビングに向かった。
 リビングのドアを開けて、いきなり大きい声で叫んだ。
「私、卓球部に入るから!」
 私はリビングにいる両親に宣言した。
「え?卓球部入ること決めたの?栞」
 母は目を丸くして、聞き返した。
「決めたのか、栞」
 父はテレビのリモコンを握りしめて、ソファーに座って言った。
「私、決めた。私は卓球部に入ってみる」