「うん。なる」
「本当ですか?」
「うん、如月さん。今、楽しいでしょ? それでいいじゃないかな」
「……楽しいです…」
 私は長谷くんの楽しい?という優しい聞き方で泣きそうになった。そう、楽しいんだ。
 長谷くんは私に笑いながら、いいじゃんと言っていた。
 なぜか女子卓球部メンバー全員が私の所に集まってきた。
「ど、どうしたんですか?」
 私は目を丸くして、聞いた。
「…ここにいるのは分かってたけど。どんなふうに練習しているか気になってね」
 葵先輩は目を動かしてから、私に言ってきた。
 私は返事をしたが、なぜみんないるのかが気になる。
「栞が気になってるよ。ちゃんと言わないと。栞の所に来たのは、心配だったから」
 類先輩ははっきりとした言葉を言わないので、声を発した。
「…うん、そうだね。栞。大丈夫?」
 葵先輩はなぜか私を心配していた。なんだろう。私は首を傾げて、葵先輩を見た。
「……えーと……何を心配して…」
 私は葵先輩に聞き返す。
「え? だって、栞、卓球やめるんじゃないの?」
 葵先輩は思いがけない言葉を私に投げかけた。
「…私は辞めませんよ」
 私は言葉にすると、卓球メンバー一同は驚いていた。
「え? 辞めないの? 誰よ、辞めるって言ったのよ。違うの?」
 葵先輩は目を丸くして、私を見る。
 違うの? 栞と言っていた恵子は私に聞いてきた。
「うん。いつそんなこと言った?」
「だって……今日ここ来た時、言ったでしょ。嫌だなって」
「いや…それは嫌だなって言ったのは、今日お弁当が日の丸弁当だから嫌だって意味だよ」
「…違うの! だったら言ってよ!勘違いしたでしょ」
 恵子は床にしゃがみこんで頭を抱えた。
「……一回もやめるとは言っていないよ」
「…そっか、ならよかった」
 葵先輩はほっとした表情で私に声を発した。私は葵先輩の言葉に、え? と聞き返した。