「俺はもう無理だ―」
男子クラスメイトが教室内でなぜか叫んでいた。
今日から中間テストが始まる。五月に他校で練習試合を終えて、時間が経つのは早い。テストが終わると、卓球練習会がある。複数の学校が来るし、練習も出来るとのでどんな人がいるのかワクワクが止まらない。数学の教科書を見つめて、考えた。
読むくらいで何もできない私はダメなのだろうか。
ため息をついても、無駄なのに…。ため息しか出なかった。
「はーい、テスト始まりますよ~」
先生がやってきて、一時間目のテストが始まった。
私は解答用紙を渡されると始めの合図とともに鉛筆を握りしめて、問題を見て始めた。分からないことだらけなので、私は勘を信じて、解いた。
時間は過ぎて、一日目、二日目、最終日になり、無事テストを終えたが、出来は最悪。ミカに部活行こうと誘っていると、女子クラスメイトが声をかけてきた。
「栞ちゃん。呼んでるよ。同じ部活動の子じゃない?」
クラスメイトが指をさす先を見ると、後ろのドアに、一年生の卓球部メンバーがいた。
「なになに、どうしたの?」
私は目を丸くして、卓球部メンバーに聞いた。
「久しぶりだから…みんなと一緒に行きたいって」
桃は誰の代わりに言ったのかは分からないが、照れくさそうにしていたのは恵子だった。
最初に言ったのは恵子だろう。
「…そうなんだ」
ミカを見ようと後ろを振り向くと、本を片手に読んでいた。
卓球部メンバーと部活に向かった。
急に仲良くなったのか、テスト一週間前に桃の提案で、図書館で勉強した。
みんなと勉強してみるかと思い、図書館で勉強したことはテストでも少しできた。
「テストも終わってホッとしている人もいれば、落ち込んでいる人もいると思うけど、来週から卓球練習会があります。全員参加になっていて、いろんなコーチくるし、長谷くんも来ます。みんな、自分がやれることやって、今週も頑張っていきましょう!」
先生は周りを見渡し言った。先輩たちはテストで疲れているのか目にクマができていた。
「うぉー、もう嫌だ、テスト。終わったのはいいけど、点数とれているのか…」
築先輩は頭を両手で抱え込んで、絶望した顔で床にしゃがんでいた。
そんな先輩を慰めて、背中をさすった。
築先輩はありがとうと言って、泣いていた。
「栞! ここはこうでしょ」
恵子と私は先輩の指導を受けて、レシーブやカットなど前に比べて出来るようになった。
先輩の指導を毎日受けて、卓球ノートに自分の弱み・強みを書いた。
卓球練習会の当日
私の地元で一番大きい体育館に足を運ぶと、中学生・先生達たちが大勢集まっていた。
「うわぁー、いっぱいだ」
夏海は入り口から入ると、口を開けたまま卓球部メンバーに言った。