「…もう嫌だ～、考えないようにしているのに」
　桃は空を見上げてから、下を向いた。息を吸って、さあやはどこかを見つめていた。
「まぁ、やるしかないよね」
　桃はさあやを励ますように、肩をポンポンとして、声を発した。
恵子は何も言えないわと声を発して、前を見ていた。
私は何も発さずに黙っていた。
テストが苦手。小学校の頃から、テストは前日に少しやるだけで、手に付けない。
教科書見るだけで、吐き気がする。
　中間テストは、六月。少しは勉強しておかないと。今まで授業をやってきた分は。
　一年生全員並んで歩いていたが、だれかの親が迎えに来てくれたのか、手を振っていた。
　私の親も来ていた。ここまで来るには、親の車がないとこれない。
　地元から遠く離れてはいないが、交通手段がない。
　私は親の車に乗った。
　母親はなにひとりで呟いてるの？　と聞いていたが、私は車の中で横になった。