夢の中では、味方はおろか、助けてくれる人さえいなかった。けど、ここでは違う。


さりげない気遣いで支えてくれる人がいる。
直球で褒めてくれる人がいる。
日々の小さな努力を見てくれている人がいる。

私は、1人じゃない。


そう気を強く持って立ち向かうけれど……。



「返してよっ」

「ぶははっ、ピョンピョン跳んでる」

「ぶりっ子ババアきめぇ〜」

「おいおい、あんま無理させんな。膝が壊れちゃうって」

「平井、こっちによこせっ」



どうして……?

私はただ、家族の力になりたくて。
お客さん達の喜ぶ顔が見たくて手伝っていただけなのに。

私が一体何をしたっていうの……?


背の高さを利用してもてあそぶ彼らの姿が、徐々に涙で滲んでいく。


ダメ。こんなこと思ったら、お父さんとお母さんが悲しむ。

けど……もう少し可愛かったら、綺麗だったら。

もっと、自分に自信が持てたのかな。



「へーい、こっちにもちょうだーいっ」