クスクスと含み笑いを浮かべている。


初対面の人に向かって……と思いきや、よく見たら全員小学生の頃の同級生だった。

名前が出てこないが、再会して早々悪口を言う時点で、この人達も彼と同類の人間なのだろう。


当時と何1つ変わっていない姿に呆れて物も言えない。

相手をしても無駄だと思い、無視して立ち去る。



「ちょっと、どこ行くんだよっ」



しかし、逃がすまいと肩を掴まれ、その拍子に髪飾りを落としてしまった。



「あっ、これ浴衣と一緒に買ってたやつじゃん!」

「マジ? うわぁ、こんな地味おばさんに買われて可哀想〜」

「えーんえーん、もっと若くて可愛い子に買ってもらいたかったよぉ〜」



拾おうと急いで屈んだが、一足遅く。髪飾りは彼らの中に。

数人がかりで1人を虐げるこの光景。
場所は違うものの、先週見た夢とほぼ同じ。



「やめて……っ」



悪夢の再来に怯むも、負けじと手を伸ばす。