ゴンッ。
突然すぎて、頭を作業台にぶつけてしまった。


藤色に白い牡丹柄、白地に赤の椿柄。

髪型は全く違うけれど、笑顔で手を振る姿は数日前に見たばかりで。



「やっほー。お仕事お疲れ様!」

「都丸先生に教えてもらって来ちゃいました〜!」



頭を擦りつつ立ち上がる。


特大クレープを持ったゆまと、巨大綿あめとりんご飴を持った山谷さん。

先生と別れてわずか数分。まさかこんな早く来るとは……。



「美味しそう〜。山盛りだぁ」

「はぁぁぁ、幸せのにおいがする……」

「……ごめんね、ずっと黙ってて」

「いいのいいの〜。元々お手伝いで忙しいって言ってたんだし。緊急事態ならしょうがないよ」

「うんうん! もし食べたい物があったら言ってね。私達で買ってくるから! ね!」

「おぅ」



優しさと寛大さに改めて感動したのもつかの間、ゆまが後ろに顔を向けた。

目を凝らすと、背後にポンパドールヘアの男の子が立っている。


ちょっ、嘘でしょ⁉ なんで⁉ 見張り中じゃなかったの⁉ 

って、今はそれよりもこの格好をどうにかしないと……!