「いらっしゃいませ」

「焼きそばを4つください」

「4つですね。お箸は何膳お付けしますか?」

「3膳でお願いします」

「かしこまりました。少々お待ちください」



熱気で包まれたテントの中、鉄板の上の焼きそばをトングで掴み、容器に入れて封をしていく。



「お待たせしました。焼きそば4つとお箸3膳です。熱いのでお気をつけください」



お金を受け取り、商品を袋に入れて渡した。
「ありがとうございました」と頭を下げて次のお客さんへ。


野菜とお肉、麺が焼ける音と、香ばしいソースのにおい。

食欲をそそられつつも、忙しなく動き回る。



「笑万、休んでいいよ」

「はーい」



ようやく列が途切れたので、お言葉に甘えて休憩することに。

パイプ椅子に腰かけ、タオルで汗を拭う。


節目の年だからか、今年は一段と賑わってるなぁ。

家族連れや若者はもちろん、普段は滅多に見かけない外国人らしき人もいる。


断る時は心苦しかったけど、着いてきて正解だった。もしお父さん1人だったら、目が回りすぎて倒れちゃってたと思うから。