「生きていてくれてよかった。まずはそう思ったよ」
「私のことをどうしてそんなに」
「なぜだろうね。その時はわからなかった。婚約者選びに疲れたとか、ふと君のことを知って善意から救いたくなったとか。いろいろ考えた」

 レオンハルトの言葉に対して、そうだ、自分にはそんな程度の価値しかないし当たり前だというような思いでコルネリアは耳を傾けていた。