ふとした拍子に、浮かぶ水姫の顔。
ある日突然姿を消し、連絡すらも通じなくなった。 探しても探しても手掛かりすら掴めず、彼女が姿を消した理由すらもわからないまま、一生会えないまま終わってしまうのだろうか。
真夏の太陽が照り付けるなか車を走らせ、大牟田病院へ行く。
指定の場所へ車を駐車させ、院内へ入る。 冷房が効いていて、少し肌寒い。
整形外科の医局へ向かうと、整形外科医部長である森北先生にあいさつをし、オペが始まるまでの時間に電子カルテの使い方や院内を案内してもらった。
「いやぁ!! 噂通り、桜川先生は吸収が早いね。 カルテの使い方も問題なさそうだ」
「ありがとうございます。 今後も、何事もなく活用していければいいのですが」
「大丈夫! 君には本当に期待しているよ。 ほかの整形外科医も、桜川先生が助手に来てくれると知って、大喜びしていたからね」
「それはそれは、光栄です」
きっと、平佐先生が俺のことを話したんだろう。
いや、仮にそうでなくても、ほかの医師たちは俺の存在くらいは知っているに決まっている。
あの父親の息子であり、次期医院長と言われているこの俺が、知られていないはずはない……か。
ある日突然姿を消し、連絡すらも通じなくなった。 探しても探しても手掛かりすら掴めず、彼女が姿を消した理由すらもわからないまま、一生会えないまま終わってしまうのだろうか。
真夏の太陽が照り付けるなか車を走らせ、大牟田病院へ行く。
指定の場所へ車を駐車させ、院内へ入る。 冷房が効いていて、少し肌寒い。
整形外科の医局へ向かうと、整形外科医部長である森北先生にあいさつをし、オペが始まるまでの時間に電子カルテの使い方や院内を案内してもらった。
「いやぁ!! 噂通り、桜川先生は吸収が早いね。 カルテの使い方も問題なさそうだ」
「ありがとうございます。 今後も、何事もなく活用していければいいのですが」
「大丈夫! 君には本当に期待しているよ。 ほかの整形外科医も、桜川先生が助手に来てくれると知って、大喜びしていたからね」
「それはそれは、光栄です」
きっと、平佐先生が俺のことを話したんだろう。
いや、仮にそうでなくても、ほかの医師たちは俺の存在くらいは知っているに決まっている。
あの父親の息子であり、次期医院長と言われているこの俺が、知られていないはずはない……か。