「あー、せめて僕がもう1年早く生まれていればな……」


 そうだね。もしそうだったら、同じクラスになるチャンスだってあったかもしれないね。


 今のままでは、サクトが自然にリョウカと知り合いになれるきっかけがないんだ、どう考えても。


 レミに『佐々井リョウカ先輩のことを好きになりました』って直球で相談すればいいのに……と私は思う。


 それだけできれば、レミならきっと、サクトのことをリョウカに紹介してくれる。


 でもサクトは口数が少ないんだよね。


 レミを含めて他の部員と雑談するところを入部してこのかた、ほとんど見ていない。


 そんなサクトがレミに恋愛相談、なんて……


 まあ、無理だろうな。


 あー、私にできることがあればよかったのに……


 力になれなくてごめんね、サクト。