「あれ? ミドリガメにはあげないの?」
サクトは当番表を確認した。
「ミドリガメは毎日与えなくていいんです。昨日あげたみたいなんで、今日は要りません」
「そうなんだー」
ミドリガメは、『そんなことなーい、食べたいよー!』って目で訴えていたけれど、サクトはミドリガメを素通りした。レミじゃないから通用しないのだ。
そうして、いよいよ私だ。
2人は私の目の前に並んで立った。
「このピンセットで餌をつまんで、ウーパールーパーの顔の前に持っていけばいいんですよ」
サクトがリョウカに手渡したピンセットは、竹製で長さは30センチぐらいある。
リョウカは恐る恐るピンセットを右手に握り、餌を一粒つまもうと試みた。