リョウカはぶらぶら歩いて、私の 棲家までやってきた。
「ウーパールーパー、だったよね?」
私の瞳を覗き込んできた。
「……ウーパールーパーが気に入りましたか?」
「うーん、そういうわけじゃないんだけど……」
何その思わせぶりな言い方……
はっ! ま、ま、ま、ま、まさか私がリョウカを観察していたことに気づいているわけじゃないわよね!?
私とリョウカは見つめ合った。
……カチッ!
壁掛け時計の針が動く音がやけに大きく聞こえる。
しかし、しばらくするとリョウカはゆらゆらと熱帯魚の水槽へと泳いでいった。
ほっ。
ああ、心臓に悪かった。