サクトは真っ白な顔をぶるぶる横に震わせた。


「い、いえ……」


 サクトの頭の中は大混乱のはず。


「また来てよかったんだよね?」

「も、もちろんですっ!」


 もちろんどころじゃない。大歓迎だ。


 でも、これは私にも予想外だった。昼休みでなく、放課後に来るだなんて。


「ほら、昼休みだと時間が短いでしょ? ゆっくり観察させてほしくて、早く雨が降らないかなーって待ってたの」


 よかったねー、サクト。


「岩藤くんなら、放課後いつも生物部にいるしね」

「知って……!」


 えっ!? リョウカ、あなた知っていたの?


 ま、まさか、毎日リョウカのことを見つめていることまではバレていない、よね?