「だから琴菜ちゃん。こっちにおいで?」 「っ……」 琴菜が何かを言う前に、手を差し伸べようとしたその時――。 〜♪ タイミング悪く昼休み終了のチャイムが鳴ってしまった。 「琴菜、一緒に戻ろう。同じクラスだし」 俺の彼女に手を差し伸べるヤクザ。 「うん」 俺が差しのべた時とは違いなんの迷いもなくその手を取る。