(こんなんじゃ、妻失格だ…) そう思いつつも、晴人さんの弱った姿が可愛いと思ってしまう私はおかしいだろうか。 「晴人さん、そっちいってもいいですか」 間にランチボックスがあるので、私たちの距離は少し開いている。 「…うん、いいよ」 了承を貰い、立ち上がって晴人さんの目の前まで行く。 そして、普段は見上げる場所にある晴人さんの顔を抱き寄せて、その頭を優しく撫でる。