(さっき、晴人さんの不安そうな顔が見えた気がしたんだけど…)

今はただ、静かに目の前に広がる自然を見つめている。


「ねぇ、依里」

晴人さんが、こちらを向かないまま話しかけてくる。

「もっと頼ってって言っても、依里は強いから、なんでも一人で解決しようとするでしょう?」

「私は、別に強くなんて…。

それに、私は十分晴人さんに寄り掛かっちゃってます」