「っ、依里、泣かないで。大丈夫。

ずっとそばにいるからね」

そう言って、顔中にキスを贈ってくれる。


親だった人たちと暮らしていた時、熱が出てもこんな風に看病してくれる人はいなかった。

一人で何とかするしかなかった。

でも、今は違う。

(私には優しい旦那様がいて、心配してくれる温かい家族がいる)