「依里、こっちおいで」

ソファに座った晴人さんが、自分の膝を叩きながら、上に座ってと誘ってくる。

「っは、い…」

最初の頃と比べれば慣れてきたとはいえ、未だ顔が赤くなるのは仕方ないことだと思う。

「まだ慣れないんだね」

「慣れるわけないじゃないですか…」

時々、こんなに素敵な人が旦那さんだってことが信じられない時があるくらいなのに。