「……良いかい、ザラ。今日の20時――――後夜祭の終わりを告げるベルが鳴る迄の間に、学園の外に出るんだ」
「……え?」
オースティンはそんなことを囁いてから、満面の笑みを浮かべる。
「どうして?」
尋ねたものの、オースティンは瞳を細めるばかりで。
妙な胸騒ぎがわたしを襲う。
(なに? 一体、どういうこと?)
頭の中に浮かぶ幾つもの疑問符。
国立学園である今夜の後夜祭には、エルヴィス殿下の父親である国王陛下や兄である王太子殿下も訪れる。お二人は20時の鐘が鳴った後、挨拶を下さることになっている。当然、生徒会の執行役員であるわたしが学園の外に出るわけにはいかない。
そんなこと、オースティンだって当然分かっているはずなのに。
「……え?」
オースティンはそんなことを囁いてから、満面の笑みを浮かべる。
「どうして?」
尋ねたものの、オースティンは瞳を細めるばかりで。
妙な胸騒ぎがわたしを襲う。
(なに? 一体、どういうこと?)
頭の中に浮かぶ幾つもの疑問符。
国立学園である今夜の後夜祭には、エルヴィス殿下の父親である国王陛下や兄である王太子殿下も訪れる。お二人は20時の鐘が鳴った後、挨拶を下さることになっている。当然、生徒会の執行役員であるわたしが学園の外に出るわけにはいかない。
そんなこと、オースティンだって当然分かっているはずなのに。