そんな思いで反論したら、「何言ってるの?」みたいな顔で口を開く。
「えー…そんなのさ、決まってるじゃん」
クラスの女子に見せるような、優しい笑顔じゃない。
「面白いから、の一択でしょ」
片方の口角だけを上げて、ニヤリと意地悪い笑みを浮かべた。
「は……?」
面白い…って、なに?
言っていることが理解できない私を無視して、椿くんは話し続ける。
「昨日はあんな自信満々にナンパしてきた子が、実は学校じゃ地味子ちゃんでした。…面白い以外の何物でもないよ」
「暇人なの?」
すかさず突っ込んだら、あははって笑う椿くん。
いや、だから何が面白いのよ?
要するに、私がオロオロする姿が見たかっただけってことでしょ?
それだけのために私を連れ出して、面倒事に巻き込むなんて…。