私の存在をフルシカトした女子たちが、わらわらと椿くんに寄ってたかって集まってきた。
恐るべし、女子の力。
言ったもん勝ちとでも思っているのだろう。
あの子が行ったなら私も!のノリで、次々と誘われている。
みんな必死だなぁ…。
はたから見たら、椿くんがアイドルか何かかと思われるに違いない。
いや、アイドル顔負けの顔面をしているから同じようなもんだけど。
……ってゆーか。
「あっ、ごめんね有栖さん…!」
「う、ううん…平気だよ」
私の椅子を蹴るな…!
椿くんに話しかけるために詰め寄る彼女たちは、私の椅子に躊躇いもなくドカドカぶつかる。
こんなところでお昼なんて食べられるわけが無い。
昨日非常識なマネをした私が言えることじゃないけどさ?
文句が出そうになった口をなんとか上げて、「気にしてないよー」という雰囲気のまま立ち上がった。