「……イエティ、お前の目的は何なんだ?四月一日先生をどこへやった?」

ようやく桜士は言葉を発することができた。だがその声は自分でも驚くほど低く、知らぬ間に怒りが心の中に湧き上がっていたことを実感する。

電話の向こうでケラケラとイエティは笑っていた。そんな態度に桜士はさらに苛つき、「答えろ!!」と優しい本田凌の姿を捨てて怒鳴ってしまった。

『そんなに怒らないでよ、怖いな〜。みんなの大好きな四月一日先生は、僕たちのアジトで大切に保管されてるよ。四月一日先生、ゴールデンブラッドの持ち主ってだけじゃなくて容姿もいいからね。血を取れるだけ取ったら、アラブの金持ちにでも売り飛ばすって話は出てるけど』

「血を取れるだけ取って売り飛ばす……?」

「ふざけるな!一花を返せ!」

リティクが顔を真っ青にし、クラウディオがその目に怒りを滲ませてイエティを怒鳴る。しかし、イエティは『落ち着いてよ〜。まだ話は終わってないんだからさ〜』と呆れたようにため息を吐いた後、続けた。