誰…?



「ほれ!謝れ十真」

「いてっ!!俺は何もしてねぇよ、山元!」

「だけど、この子恐がってたぜ?」



 ふ………深入りしないうちに逃げよ…



そう思った私は、逃げ場を探す。きょろきょろと目だけを動かすと…



拓斗と目が合った。拓斗の手は誰にも見えないような感じで…



 後ろのドアから入れ。



と言う様にうしろのドアを指で指していた。



「ッて、、、おぃ?さっきの女子は?」

「え?いなくなってる…」



私はそんな声が聞こえたけど、無視していた。



 今は拓斗にお礼を言いに行きたい。



「拓斗…」

「………」



無反応の拓斗は本を読んでいる。



「さっきはアリガトネ?」

「………ん」