私が返事をすると、その男子は少し笑った。



中学生のはずなのに、笑うと小学生みたいだった。



「『魔王』にぶつかるなんてな。」

「うん(笑)結構びっくりした」



魔王って言うのは拓斗の事。



冷徹で感情を表に出さない拓斗は、そう呼ばれるようになってしまった。



 本当は、そんな風に呼んで欲しくないって思ってるよね…拓斗?



「…?どうかしたか?」

「え…?」



私がまた黙ってしまったから、また男子が心配してきた。



「………」

「おぃ…」



男子が私の肩に手を伸ばした、その時―…



「おぃ土原!何女子いじめてんだよ!」

「や…山元…!!!」

「ゴメンネーーこいつになんかされた?大丈夫?」

「ぇ…えと」