春になると、全てが変わってしまうよね。


クラスも、学年も、担任も―…


私はそんな事を考えながら、一緒に学校へ行く友達を待っていた。


大きな大きな桜の木の下で、ボーっとしていた。


猪口 苺 イグチ イチゴ


それが私の名前だ。桜が好きな私は、真上にある桜を眺めてた。


風が吹くと桜の花びらは落ちる。そんな光景が好きだった。


 なかたん。遅いなぁ…


と、思いながら桜を見ていた。先に行こうかと思ったとき…



「苺――――――!!!」

「ん??」


突然名前を呼ばれ、振り返る私。そこには―…



「ゴメンっ!!遅れたぁ…」

「いいよ~~(笑)なかたん。いこっか♪」



この子は中谷 泉 ナカタニ イズミ 通称なかたん。


背が高くて、とっても優しい子。