「それって、デートだよな?」


 ニヤッとする岸くん。


「へっ……?」

「うん、うん。つむぎとデートで、サッカーの試合観戦するってことだな! たまたま、さわやか王子とかいうやつが出るみたいだが……あくまで、つむぎはおれの隣にいる!」


 挑発するように岸くんが言うと、負けじと望月くんも応じる。


「プレーで、吉丸さんの視線をくぎづけにしてみせるさ。ダンス王子とかいうやつは、ただ吉丸さんの隣にいるだけだ」


 ひええええっ!

 わたしの気も知らないで、ふたりはバチバチ! と火花をちらしている。


「フン、下手なプレーしやがったら、解説でディスってやるからな」

「ぬかせ。賞賛する言葉のバリエーションを考えておけよ」


 あれ……?

 岸くんなりに、激励してるのかな?

 望月くんも、それに応えるように、闘志を燃やしているように見える。

 わたし、男の子のことは、よくわからないや。