わたしは、顔が判別できないほど小さく映りこんでいるだけだから、そんな書きこみがあるんだよ。

 暗示のかかってないひとがわたしの顔を見たら、釣りあいがとれてないって思うはずだもん。


「まあ、まだOKの返事もらってないけど、いずれもらうぜ。なあ、つむぎ?」


 岸くんが、ニッと不敵な笑みを浮かべると、あつまっていた女子たちがキャーキャーさわぎ、岩田くんたち男子はブーイングした。


「とりあえず、近いうちにデートしようぜ。これ、決定な。いいだろ?」


 ええええええええっ!

 怜音くんしかり、岸くんしかり、イケメン王子は強引すぎるよっ!

 返事に困っていると――。


「吉丸さん、いるかな!?」


 あせった声を出して、教室に入ってきたのは――――望月くん!

 岸くんは舌打ちして、

「またおまえか」

 って、望月くんをにらみつける。


「望月くんだあ!」


 女子が色めきだった。

 さすがは、さわやか王子。

 ダンス王子の人気に引けを取らない。


「望月くん! 今度の試合、応援に行くからね」

「あたしも行くよー!」

「わたしも、わたしも!」


 女の子たちが積極的にアプローチする。


「ありがとう」

 困り顔になりながらも、丁寧にお礼を言う望月くん。