「きゃあ! デート!?」


 佐々木さんたちが黄色い声をあげ、うらやましげに、わたしを見る。


「えっと、ごめんなさい。これから園芸部のあつまりがあるから……」


 本日、三度目の説明です。

 もうサボってしまいたくもなるけれど、佐々木さんの誘いを断わった手前、そうもいかない。


「そうか。じゃあ、明日は……って、おれがダメか。明日、ダンス部の練習あるんだよな」


 眉を下げて、頭をかく岸くん。

 正直ホッとした。

 明日は、怜音くんとの約束がある。一方的に決められちゃった約束だけれど。

「明日もダメ」って言って、理由をきかれたら、しどろもどろになる自信ある。

 本当のことを言ったら、岸くんは怒るだろうし、かといって、ウソをついてもすぐバレそうだし。

 わたし、ウソつくのが下手だから……。


「あっ、こんなコメントあるわよ! 『うしろに映ってる女の子は、湊斗くんの彼女ですか?』だって!」


 佐々木さんが読みあげると、また黄色い声があがった。

 ええええええええっ!

 ちがうってば――――っ!