黒魔女のマヤと出会い、魅了の魔眼を与えられてから一週間がたった。

 みんなにチヤホヤされ、わたしはすっかり学園の注目のマトだ。

 これ以上、暗示にかかるひとを増やさないため、至近距離で見つめあわないことを心がけているけれど……。

 赤くなってしまったわたしの目は、のぞきこみたくなる衝動を誘うらしい。

 ふいにのぞきこまれては、どうしようもない。

 そうした不可抗力で、新たにクラスメイト四人、べつのクラスの生徒七人、さらに三人の先生までわたしに魅了されてしまった。

 今までの生活が一変!

 学園にいる間、わたしはずっとだれかといっしょだ。

 そうした状況にも、わたし自身、慣れてきた部分もあるけれど。



「ちょっとみんな、静かにしてよ。ここ図書室だからね?」


 放課後、図書室のカウンターの内側に腰かけて、眉をひそめるわたし。

 図書委員をやっているわたしは、今日が当番なんだけれど……。

 部活に行った子をのぞいて、わたしといたがる何人かがついてきてしまった。

 なかには岩田くんと佐々木さんもいる。


「はーい」


 みんな素直に返事して、席についておとなしく本を読みはじめた。