「でも気をつけろよ。めっちゃこわいオーナーだからな。冷やかし禁止の店なんだよ。圧がすごくて、特に買う気もなかった魔除けグッズ買っちゃったし……」


 そのときのことを思いだしたのか、賢ちゃんはげっそりした表情になった。

 気の弱さも筋金入りだからなぁ。


「安心してよ。ついてきてなんて言わないからさ」


 それを聞いて、賢ちゃんはホッとした表情になった。


「わかった。ぼくは引き続き、魔石を取りだす方法を調べるよ」



     * * *



 わたしはもう一度電車に乗って、市内中心部にある長閑中央駅で降りた。

 大きな商業施設になっている駅ビルがあり、近くの商店街にもいろんなお店があるから、学校帰りに立ち寄る学生が多い。

 聖ネクサス学園の生徒も、ちらほら見かける。


「えーと、こっちだよね……」


 アーケードになっている商店街の奥まで進み、わき道に入ると。

 賢ちゃんに教えてもらった場所に、ぽつんとお店があったのだけれど……。


「ああ……閉まってる……」


 シャッターが降りていて、一枚の紙がはってある。

 イヤな予感とともに紙を見つめる。