じょうろを足元に置いて、岸くんに近づこうとしたときだった。
「あー、こんなトコにいたのかよ、湊斗!」
声がして、ぞろぞろと男子三人、女子二人のグループがやってきた。
ビクッとして、からだをこわばらせるわたし。
岸くんといつもいっしょにいる取り巻きの子らだ。
何人かは一年のときに同じクラスだったけど、クールな岸くんとちがって騒がしいから、わたしの苦手なタイプなんだよね。
「きっしー、今日は動画撮らないの?」
カーディガンを羽織って萌え袖にしている女の子――工藤さんが小首をかしげてたずねた。
「あー、今日は気分じゃねーな」
ぶっきらぼうに答える岸くん。
「新しい撮影場所を探してたんだけどさ、ここもイマイチだな。行こうぜ」
――イマイチだな。
岸くんの冷たい言葉が、針のようにわたしの心を刺した。
ここは、わたしの大切な場所。秘密の花園なんだ。
さっきは「落ち着く場所だな」って言ってくれたのに……。
ふたりでリハーサルの動画を撮ったことも岸くんはだまっている。
わたしみたいな暗い子といっしょに撮ったことを知られたくないから……?
あれは、ただの気まぐれだった……?
「あー、こんなトコにいたのかよ、湊斗!」
声がして、ぞろぞろと男子三人、女子二人のグループがやってきた。
ビクッとして、からだをこわばらせるわたし。
岸くんといつもいっしょにいる取り巻きの子らだ。
何人かは一年のときに同じクラスだったけど、クールな岸くんとちがって騒がしいから、わたしの苦手なタイプなんだよね。
「きっしー、今日は動画撮らないの?」
カーディガンを羽織って萌え袖にしている女の子――工藤さんが小首をかしげてたずねた。
「あー、今日は気分じゃねーな」
ぶっきらぼうに答える岸くん。
「新しい撮影場所を探してたんだけどさ、ここもイマイチだな。行こうぜ」
――イマイチだな。
岸くんの冷たい言葉が、針のようにわたしの心を刺した。
ここは、わたしの大切な場所。秘密の花園なんだ。
さっきは「落ち着く場所だな」って言ってくれたのに……。
ふたりでリハーサルの動画を撮ったことも岸くんはだまっている。
わたしみたいな暗い子といっしょに撮ったことを知られたくないから……?
あれは、ただの気まぐれだった……?