いくらなんでも、あの三人まで、以前からわたしが好きだったなんてことは……。


「行けばわかるさ」


 湊斗くんは、イタズラっぽい笑みを浮かべた。



     * * *



 隣の児童公園に行くと、小さな子どもたちにまじって、葵くんと神谷兄弟が鬼ごっこをしていた。

 ど、どういう状況なの――――っ!?

 わたしたちに気づいた葵くんが、真っ先に駆けよってきた。


「やあ、吉丸さん」

「葵くん、どうして……?」


 目を丸くするわたしに、葵くんが言う。


「姉ちゃんを経由して、三上さんに頼まれたんだ。四人のイケメン王子を招集するようにって……。文化祭の実行委員のおれが、校内放送で、ほかの三人をよびだしたってワケ。魔眼について、三上さんからきいたよ」


 すると、怜音くんと紫音センパイもやってきた。


「あのガキども、元気よすぎだろ……。は、走りすぎた……」

「ぼ、ぼくも……つ、疲れたよ……」


 息を切らしている神谷兄弟を見て、フンと鼻を鳴らす湊斗くん。


「おまえら兄弟は体力なさすぎなんじゃね?」

「岸テメェ、おれのことも『おまえ』よばわりか? センパイだぞ、コラ」


 紫音センパイが威圧するような声を出すと、湊斗くんはにらみ返して、

「つむぎに恋してるライバル同士なんだからな。上下関係なんか持ちだすなよ」

 って言いはなった。