「おれは、ずっと前からおまえのことが……」


 湊斗くんの言葉をさえぎったのは、賢ちゃんだった。


「スト―ップ! その先は、ぼくがいなくなってから頼むよ。せっかちだな、きみは」


 賢ちゃんが苦笑いすると、湊斗くんはあわてて頭を下げて、

「す、すみません、三上さん!」

 と、あやまった。


「じゃあな、つむぎ。ぼくは行くよ」

「えっ……賢ちゃん……?」


 ぽけーっとしているわたしを置いて、賢ちゃんは行ってしまった。


「み、湊斗くん。どうして……?」


 たずねるわたしに、はにかむような笑顔を見せる湊斗くん。


「学校で三上さんから、大体、話はきいたよ。つむぎがダンスを観にきてくれなかったからヘコんでたけど、それどころじゃなくなっちまったな」

「じゃあ……?」

「魅了の魔眼……だっけ? よくわかんねぇけど、そんなの、おれには通用しねーよ」

「湊斗くん……」

「おれは一年のときから、つむぎのことを見てたからな。暗示にかけられるまでもなく、おれはつむぎに惚れてたんだよ」

「一年のときから!?」


 わたしは、思わずさけんでしまった。