「つむぎにできることといえば、暗示にかけられた相手にこれを渡して、暗示をといてやることさ」

「なるほど!」


 賢ちゃん、頭いい!

 でも……。


「それはいいけど、根本的な解決にはなってないような……」


 マヤを探して、魔石を取ってもらおうか?

 でも、黒猫の姿だろうし、探すのは困難だ。

 もう長閑市を出てしまったかもしれないし……。


「まっ、からだから魔石を取りだす方法を探ってみるよ。でも、あまり期待はするなよ?」


 その言葉とは裏腹に、自信ありげに眼鏡を指で押しあげる賢ちゃん。

 今は、賢ちゃんだけが頼りだよ。


「よろしくお願いしますっ!」


 わたしは、賢ちゃんに両手を合わせた。