「もう大丈夫! 涙とまったから!」

「ホントか?」

「うん。ホント、ホント」


 ゆっくりと、わたしたちのからだが離れる。


「えへへ」


 わたしが目がしらをおさえながら笑うと、湊斗くんもほほ笑み返してくれて。

 すると、にわかに廊下がさわがしくなった。


「つむぎちゃん! 大丈夫!?」


 保健室に駆けこんできたのは、小村さんと佐々木さんだ。


「うん。大丈夫だよ、楓ちゃん、綾乃ちゃん。お化け屋敷で、ちょっとびっくりして立てなくなっただけ……」

「なんだ、そうなの?」

「あたしはてっきり大ケガしたのかと……」


 ほっと胸をなでおろす小村さんたち。


「おれはもう行くぜ。佐々木たち、つむぎについててくれよ。保健室の先生、どうせ職員室にいるだろ。声かけておくから」


 そう言って、湊斗くんは出ていった。


「あたしたち、お邪魔だった……?」


 佐々木さんにたずねられ、わたしは苦笑いするしかない。

 そのあとも、続々と、お見舞い(?)のひとたちがやってきて、保健室はより一層さわがしくなった。


「つむぎ! 大丈夫か!?」

「つむぎちゃん!」


 賢ちゃんと遥さんが血相(けっそう)を変えて飛びこんできた。

 デートの邪魔をしてしまって、なんだか申し訳ない。