賢ちゃんはズレていた眼鏡を直すと、興奮ぎみに説明をはじめた。


「つむぎがマヤからもらった石は、まちがいなく魔石だ。服を通りぬけて体内に入っていったから、フツーの石であるわけがない。つむぎが願いごとをしたことで発動したんだ」

「魔石なのはわかったけど、どうするのコレ! 賢ちゃん、取ってよ!」


 泣きそうになりながら、胸をおさえるわたし。


「うーん、それは厳しいな。その魔石は、つむぎの願いをかなえたからね。つむぎと一体化してしまったかも……」

「ええっ! 願いがかなった……?」

「かなったじゃないか。その魔石に何を願った?」

「えっと……みんなにチヤホヤされたいです……あっ!」


 言いながら気づいてしまった!

 まさか、さっき賢ちゃんがおかしくなったのって!


「つむぎの目が赤くなったこと。ぼくがつむぎを好きになったこと。それらから導きだせる答えは――」


 わたしはごくりとつばを飲みこんで、賢ちゃんの言葉を待った。


「魔石は、つむぎに魔眼を与えた! それも……魅了の魔眼を!」

「み、魅了の魔眼!?」


 何ソレ、こわいんだけど!