遙さんが誘うまでもなく、賢ちゃんは目を輝かせていた。


「なつかしいなぁ。射的やろうよ!」


 子どもたちにまじって、遊びまくる賢ちゃん。

 わたしは、こそっと小声で遙さんに言った。


「あの……ホントに賢ちゃんでいいんですか?」


 遥さんは苦笑いしながら髪をかきあげて、

「わたしたち、性格はぜんぜんちがうんだけどね。なぜか合うのよ、不思議なことに……。わたしもオカルト系は好きなほうだし、話が合うしね」

 って言った。

 そうだ! お互いにオカルト好きで意気投合したんだった!


「わたしは思ったことをポンポン言っちゃうんだけど、賢太朗はのほほんとしてて、受け流すじゃない? 相性はいいと思うんだよね」

「なるほど~」


 賢ちゃんは、ステキな出会いをしたんだね。



     * * *



 自分の当番を終えると、わたしは教室を出た。

 佐々木さんたちと、また合流しようかな?


「吉丸センパイ!」


 ふり返ると、息を切らしている怜音くんが立っていた。


「どうしたの? 怜音くん」

「吉丸センパイに会いたくて、女の子たちをまいてきました。あはは」


 ぜーはー言いながら、ニコッとする怜音くん。

 さすがイケメン王子。女の子たちに張りつかれてたワケね。