わたしは、みんなと同じように、はっぴを着て接客した。

 この前、葵くんが出たサッカー部の試合で声援を送ったのが良かったんだろうな。

 自分でもびっくりするくらい大きな声が出た。

 うちのクラスには、小さな子どもたちがたくさん来てくれて。

 ふふ、目をキラキラさせてヨーヨー釣りしてる。かわいいなぁ。


「つむぎ!」

「あっ……」


 秀清高校の制服姿の男女ふたりづれが、お客さんとしてやってきた。


「賢ちゃん! 来てくれたんだ?」


 賢ちゃんの横にいるのは、ロングストレートがよく似合っている美人さんだ。


「えっと……おつきあいさせてもらっている望月(はるか)さんだ」


 顔を赤らめながら、賢ちゃんがぎこちなく紹介してくれた。

 ええっ!? こんなきれいな人だったなんて!


「カタい! アンタってば、カタいのよ」


 賢ちゃんにツッコミを入れると、遙さんはわたしに向きなおって、にっこりほほ笑んだ。


「賢太朗のイトコなんだってね? よろしくね」

「あっ、はい! 吉丸つむぎです! よろしくおねがいします!」


 秀清高校って、頭がよくて真面目なひとが多いイメージだけど、遙さんはかなりくだけていて、明るい女の子みたい。