さらに、湊斗くんが口をひらく。


「おかしいと思ったんだよ。おれが、つむぎみたいな地味なやつに惚れるなんて、ありえないもんな」

「湊斗くん、待って……。ちがうの……」


 わたしは立ちあがろうとしたけれど、からだは思うように動いてくれない。

 石になってしまったかのよう……。

 それでも必死に手をのばそうとしたわたしに、湊斗くんが言った。


「あばよ、つむぎ。この卑怯者……!」