賢ちゃんは、わたしをなぐさめようと言ってくれているんだろうけれど……。

 わたしは首を横にふった。


「そんな男の子、まぎれてる可能性はないよ」


 だってわたしは、だれの視界にも入らない、空気みたいな存在だったのだから……。