どう説明しようか?

 とまどっていたら、怜音くんが切りだした。


「ぼく、吉丸センパイとデートしたんです」

「えっ……?」


 ぼうぜんとする葵くん。


「うらやましいですか?」


 ニコニコしながらあおる怜音くんがこわいっ!


「くっ……!」


 葵くんは、ヒザを折ってくやしがった。


「湊斗ばかりに気をとられすぎた! 一年生に先を越されるとは……」

「ぼく、センパイが相手でも遠慮しませんよ。学園の四人のイケメン王子が、吉丸センパイに恋しているんです。なりふりかまわず、積極的にいかせてもらいます」

「ん……? ちょっと待て。四人だって? まさか神谷センパイも……?」


 いぶかしむような表情になる葵くん。


「ええ、兄さんも吉丸センパイをねらってます」

「はあ……」


 葵くんは大きくため息をついて、肩を落とした。


「おれ、あのひと、超苦手なんだよね」

「あっ、湊斗くんも言ってた! 一年のときに脅されてトラウマになってるって……」


 わたしが言うと、葵くんはげっそりした表情になった。


「そうなんだよー。『おまえが一年のイケメン王子か』って……。あのひとデカイしさ、やたらこわかったんだよね」

「それは……兄が大変失礼しました」